民事再生、自己破産についての法律

民事再生⇔自己破産というように、決定前であれば、相互に移行することがあります。
民事再生には、「小規模個人再生」と、「給与所得者等再生」があります。

 

相互移行が可能な例

 

●自己破産→民事再生できる場合

民事再生法第246条  【破産管財人による再生手続開始の申立て】
破産管財人は、破産者に再生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。以下この条において同じ。)の許可を得て、当該破産者について再生手続開始の申立てをすることができる。

 

破産者に再生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所は「破産」手続から「再生」手続への移行の申し立てをすることができます。

 

●民事再生→自己破産のできる場合

民事再生法第249条 【再生手続終了前の破産手続開始の申立て等】
破産手続開始前の再生債務者について再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止若しくは再生計画不認可の決定又は再生計画取消しの決定(再生手続の終了前にされた申立てに基づくものに限る。以下この条において同じ。)があった場合には、第三十九条第一項の規定にかかわらず、当該決定の確定前においても、再生裁判所に当該再生債務者についての破産手続開始の申立てをすることができる。

 

逆に再生手続廃止又は再生計画取消しの決定があった場合も、裁判所は、「再生」手続から「破産」手続への移行の申し立てをすることができます。

 

相互移行が不可能な例

×「給与所得者再生」→「民事再生」「自己破産」は不可

民事再生法第239条【給与所得者等再生・手続開始の要件等】
第二百二十一条第一項に規定する債務者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「給与所得者等再生」という。)を行うことを求めることができる。
第5項 前項に規定する場合のほか、裁判所は、第二項の申述があった場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があることが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を小規模個人再生により行う旨の決定をする。
第2号  再生債務者について次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に当該申述がされたこと。
イ 給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日
ロ 第二百三十五条第一項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
ハ 破産法第二百五十二条第一項 に規定する免責許可の決定が確定したこと 当該決定の確定の日

ただし、いったん「再生」計画認可(「給与所得者等再生」「小規模個人再生」いずれでも)が決定したり、「破産」が決定してしまうと、七年以内の間は、「給与所得者等再生」はできず、その場合は「小規模個人再生」のみ行えることになります。

 

×「自己破産」→「給与所得者等再生」 も不可

破産法第252条
第1項裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
第10号 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。
イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日
ロ 民事再生法 (平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日

「破産」による免責を受けてから7年は、再度「自己破産」の申し立てはできません。
「給与所得者等再生」が行われてから7年間は、「自己破産」はできません。

 

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