自己破産の依頼は司法書士と弁護士のどちらがいい?

「自己破産」や「民事再生」については、地方裁判所に申立を行う必要があることから、司法書士には訴訟代理権はありません。
司法書士は、相談に乗り、書類の作成のみを担当することになります。
「民事再生」と「自己破産」については、地方裁判所への申し立てになるため、司法書士に依頼した場合は、自分で行うことになり、「本人訴訟」の方法を採るにことになります。

 

日本の民事訴訟法は、弁護士強制主義を採用していないことから、第一審から最高裁判所まで、自分の裁判を自分で手続きを取り、出頭して行う「本人訴訟」を採ることもできます。司法書士に依頼した場合は、法廷内の手続や法廷への出頭はどこまでも本人が行わなければならなくなりますが、法廷外で訴状等の書類の作成は、司法書士に行ってもらえることになります。

 

司法書士に依頼した場合、書類作成だけではなく、相談にも乗ってもらえることも確かですし、地方裁判所に対する申し立てと言っても、あくまで債務整理に関するものであり、資産や債務に関する計算が主になりますので、司法書士に依頼しても、十分対応はできるものと言えます。

 

特に大きな差は「即日面接」の有無と債務者本人の作業負担

司法書士に依頼する場合と、弁護士に依頼する場合とで特に差が出て来るのは、自己破産における即日面接について言えます。

 

即日面接制度は、東京地裁など一部の裁判所で実施されているもので、自己破産の申立てをした当日に、破産手続き開始決定が下りる制度です。

 

申立ての際には、即日面接という、代理人弁護士と裁判官による面接が行われます。
面接の際の協議によって,通常管財にするか、少額管財にするか、同時廃止にするか,ということが決められることになります。

 

しかし、申し立ての即日にこの面接協議が可能になるのは、弁護士のいる場合のみです。
弁護士が裁判所に自己破産の申立てに行き、その日に裁判官と面接を行います。裁判官によって問題がないと判断された場合には、その日の夕方5時に自己破産の開始決定が下されることになります。

 

しかもこの面接は、弁護士と裁判官で行われますので、自分が行く必要はありません。
司法書士ではこの即日面接制度を利用することはできません。申し立てからこの面接までには、通常1カ月くらいかかってしまいます。もちろん面接にも、自分が行かなければなりません。

 

また、「少額管財」は、もともとは扱う事件数の多い東京地方裁判所が、手続きが迅速で、予納金についても「通常管財」だと「50万円以上」かかるのに対し、「少額管財」にすると「最低20万円」で済ませることができます。
しかし、「少額管財」にしたいと思っても、弁護士を代理人にしない限り、「少額管財」にはできません。司法書士に依頼した場合は、本人訴訟になるので、少額管財事件は利用できません。

 

同じように「自己破産」により借金をなくすことを目的にしていても、破産申立から借金をなくすまでの期間を考えると、司法書士に依頼するよりも、弁護士に依頼することにより、各段に短くて済むことになります。
債権者から異議訴えの内容が複雑になった場合なども、弁護士に依頼した方が、有利になる場合もあるかもしれません。
このように自己破産・民事再生の場合には、弁護士と司法書士のどちらに依頼するかで差が出て来ることが言えます。

 

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